
Unevenness
ムラ染めは、「部分的に染料が多く入るところ/少ないところ」を作ることで、色の濃淡やにじみを出す染色方法です。
ムラ(不均一)を嫌う「均染(きんせん)」の逆で、自然な風合い・味わい・深みを出すために、ムラを意図的に作ります。
布のシワや重なりに染料がたまって「にじみ」や「ぼかし」ができ、独特な表情に仕上がる『ムラ染め』。
染料を1色にするか2色3色にするか、配色や配分、シワのつくり具合によって仕上がりはある程度予測できても、
最終的に広げてみないとわからないところが挑戦し甲斐のあるところ。
逆に自然の流れにまかせた結果、予想以上の出来映えに満足することも。
アイスダイや絞り染めも広義ではムラ染めに含まれますが、ここでは別に紹介します。
Technique
単色あるいは複数色をスポイトやドレッシングボトルで部分的に染料を垂らしてじんわりにじませます。
染料を垂らした後に「握る(squish)」ようにして布に押し込んで染めます。握り方の強弱、色の重ね方などで表情が異なります。

※ワイヤーネット、ビニール袋等ほとんどのものは100円ショップで手に入ります。
※溶けた染料液の受け皿となるバケツや浴槽などは丁寧に洗浄してから再利用してください。
Dyeing Kit
ムラ染めの他にも放射線タイプのタイダイ染めやアイスダイなど、いろいろな染色方法にチャレンジできるフルカラー対応のキットです。
LEMON・RED・BLUE・YELLOW・RUBIE・NAVY 各3g、Black6g








Step
Tシャツはほこりの除去や糊を落とすためにぬるま湯または中性洗剤で洗っておきます。
水にソーダ灰を溶かして「前処理液」を作ります(目安:水1Lに対してソーダ灰80〜120g)。
Tシャツをしっかり浸して30分以上放置します。
ゴム手袋をしてTシャツを軽く絞り湿っている状態にします(乾かしても染色可)。

ご利用ガイドのカラーチャートから好きな色を単色または複数の色を選択。色数に制限はありません。
染料の量は染めるモノの重さの4%までにしましょう。それ以上だと濃くなり過ぎます。逆に薄く染めたい場合は1%以下でも染められます。
例:180gのTシャツを染める場合の合計量は、4%なら7.2g、0.5%なら0.9gになります。
また、180gのTシャツを3色均等で染める場合、180g÷3色で1色につき60gの布を染める計算になります。
カラーチャートで染色したい色を選び、染めるモノの重さを60gと入力すれば、染料の分量が割り出されます。
染料液の合計はTシャツの重さと同等〜2倍が目安です。
例:180gのTシャツを均等に3色で染める場合、1ボトルにつき60〜120ccの染料液をつくっておきます。
カラーチャートは浸染方式の色見本となるため、ムラ染めで染める場合はより若干薄い色になります。
配合割合を正確に測定するには、1gを100ccの水で薄めてから調合すると正確性が増します。



ゴム手袋をはめてから台の上にTシャツを広げ、くしゃくしゃに丸めたり、ねじったり、折りたたんだりします(模様の出方が変わる)。
※ソーダ灰液が付着した箇所はきれいに拭き取ってください。
柄はおおざっぱに丸めると大柄になり、細かく折りたたむと細かな柄になります。
輪ゴムで固定して色にメリハリをつけることもできます。



ゴム手袋をはめてからTシャツをソーダ灰液から引き上げ、軽く絞ってください。
台の上にTシャツを広げ、くしゃくしゃに丸めたり、ねじったり、折りたたんだりします(模様の出方が変わる)。
※ソーダ灰液が付着した箇所はきれいに拭き取ってください。
くしゃくしゃにしたTシャツを輪ゴムで固定して、「にじみ」を抑えます。
折りたたんだTシャツをネットの上に置き、染料液をかけていきます。薄い色から順にかけましょう。
表面にかけ終わったらひっくり返して裏面にもかけます。
染料液が3色以上混ざると濁りやすくなります。
表面だけ色がついていても、奥の方までは染料液が浸透せず白場が多くなっている場合があります。




ラップやビニールで覆って、室温で12〜24時間ほど放置します
流し台に移動し、染料液を軽くすすぎます。
すすぎ洗いで染料が流れ出なくなったら、洗濯用中性洗剤を使ってしっかり洗い、染料の余分を落とします。
最後に水洗い、できれば熱めのお湯で洗い、その後に乾かせば完成です。



Movie
完成品の仕上がりが薄すぎたり、違和感のあるにじみやムラがある場合は、
あえて新たにムラ染めをすることで作品をつくり変えることができます。

